SHIMIZU CORPORATION — NEW SERVICE LINE

デジトリ360ツアー
市場投入・事業戦略設計書

エンタープライズ特化型「攻めのVR/パノラマ戦略」

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エグゼクティブサマリー

デジトリ360の技術基盤と清水建設のブランド信頼性を活かし、「エンタープライズ特化型の攻めのVR/パノラマ戦略」として市場投入する。

安価な不動産向けVRツールとは完全に一線を画し、「空間に知識を埋め込む」高付加価値領域で独占的ポジションを狙う。

ターゲットは製造業・文教・観光の3領域を優先し、初期構築+月額のハイブリッド型プライシングで高単価・高LTVのビジネスモデルを構築する。
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市場環境と競合ポジショニング

競合4社の整理

サービス主戦場特徴弱点
THETA360Biz 不動産VR内見 低価格セルフ撮影型(月額数千円〜) 注釈機能が薄い、セキュリティ要件に非対応
スペースリー 不動産VR内見 手軽さと量産性重視のSaaS 注釈機能が薄い、セキュリティ要件に非対応
ナーブ 不動産VR内見 VR内見特化、仲介業者向け 注釈機能が薄い、セキュリティ要件に非対応
flic360 学校・ホール・貸オフィス 撮影代行含むプロモーション型、表現力高い エンタープライズ要件に課題

デジトリ360ツアーのポジション

競合が「手軽さ×量産」で戦う中、デジトリ360ツアーは 「情報密度×信頼性×中長期利用」 の領域を取る。

一度制作すれば数ヶ月〜数年間にわたり企業の顔として機能する「ストック型マーケティング資産」として位置づける。不動産内見のように成約後に価値がなくなるフロー型コンテンツとは根本的に異なる。

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競合との差別化ポイント(USP)

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エンタープライズ級セキュリティと信頼性

工場・公共施設・学校など、セキュリティ要件が厳しい領域がメインターゲット。デジトリ360のクラウド基盤(AWS WAF等)をそのまま引き継ぎ、大企業・官公庁のIT部門によるセキュリティ審査をクリアできる。

スタートアップ系SaaSでは突破できない稟議を、清水建設ブランドで通す。これは機能では埋められない構造的な優位性。

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高機能アノテーション — コンバージョンツールとしての価値

競合は「綺麗に見せる」がゴール。デジトリ360ツアーは「空間に知識を埋め込む」がゴール。

  • 図面PDF — 設備のスペック・寸法情報
  • 紹介動画 — 工程説明・教授紹介等
  • 多言語音声ガイド — インバウンド対応
  • ECサイト・予約フォーム — お土産購入、体験プラン申込
  • 問い合わせフォーム — リード獲得の導線

「見学」を「購買」「申込」に変えるコンバージョンツールとして機能する。

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攻め(PR)と守り(管理)の一気通貫

PR用のデジトリ360ツアーで撮影したデータを、施設管理用のデジトリ360(管理版)にそのまま転用可能。逆に、管理版で既に撮影済みのデータからPRツアーを生成することも可能。

1回の投資で2つの価値が出る。この一気通貫は清水建設グループだからこそ提供できる最大の強み。

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ターゲット選定(優先順位付き)

最優先

製造業の工場見学・採用PR

  • 工場内は「見ただけでは意味がわからない」空間 → 注釈機能が最も活きる領域
  • 採用難・IR強化・サステナPRの3つの圧力を同時に受けている
  • 清水建設の施工済み工場への横展開で初期営業コストがほぼゼロ
  • セキュリティ要件の高さがスタートアップ系SaaSの参入障壁に
ユースケース注釈の活用
採用サイト埋込「バーチャル工場見学」職場環境・設備の説明、社員インタビュー動画
IR向け施設公開環境配慮・SDGs取組の解説、技術力の可視化
取引先向け品質PR安全対策・品質管理基準のポップアップ表示
第2優先

大学・専門学校のオープンキャンパス

  • 少子化で学生獲得競争が激化 → 「来校前に体験させる」ニーズ急増
  • 研究室・教授紹介・学食など、注釈で情報を重ねる意味がある空間
  • 一度作れば毎年のオープンキャンパスで繰り返し使える(ストック型)
  • flic360が既にこの領域で実績あり → 市場が存在する証拠
ユースケース注釈の活用
オンラインオープンキャンパス研究室機材の説明、教授紹介動画、カリキュラム情報
留学生向けキャンパスツアー多言語テキスト・音声ガイド
施設貸出PR(イベントホール等)座席からの見え方、搬入口寸法、設備スペック
第3優先

自治体・DMO・大型リゾート(観光・インバウンドPR)

  • 価値は高いが自治体の意思決定が遅く、初期の売上貢献が読みにくい
  • 1件あたりの単価が大きく、多言語注釈の付加価値が出しやすい
  • 中長期的には最大のボリュームゾーンになりうる
ユースケース注釈の活用
伝統工芸の工房ツアー工程解説(多言語)、作品のEC購入リンク
酒蔵・ワイナリー見学醸造プロセス解説、オンライン購入導線
MICE誘致用会場バーチャル下見収容人数・設備情報、周辺宿泊予約リンク
富裕層向けインバウンド観光PR歴史・文化解説(英・中・韓)、体験プラン申込
将来拡張

MICE施設・病院・介護施設

  • イベントホール:座席からの見え方、搬入口の寸法などの注釈が実用的価値を持つ
  • 医療・介護:患者/入居者家族向けの施設見学ニーズは大きい
  • 個人情報規制が特殊なため、上記3領域で実績を作ってから参入すべき
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プライシング

基本思想

「ツール課金」ではなく「マーケティング資産の構築と運用」として値付けする。競合が月額数千円〜3万円の「ツールの利用権」を売る中、同じ土俵には乗らない。

スタンダード

学校・中規模施設向け
初期構築費用80〜150万円
月額利用料3〜5万円
含まれるもの撮影・パノラマ化・注釈30箇所・基本テンプレート
契約期間年間契約

エンタープライズ

大手製造業・自治体向け
初期構築費用300〜800万円
月額利用料8〜15万円
含まれるものドローン撮影・多言語対応・外部連携・専任サポート・帯域保証
契約期間年間契約(2年推奨)

価格の妥当性

比較対象相場デジトリ360ツアーの優位性
プロモーション動画制作1本200〜500万円更新可能・長期利用可能で割安
物理的な工場見学運営人件費・安全管理・ライン停止損年間100万円台で即座に回収可能
大手企業の稟議スポットのプロモーション予算として通りやすい価格帯
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Go-to-Market戦略

最初の6ヶ月

月 1-2

OB顧客への直接提案

清水建設の施工実績から製造業OB顧客を10社リストアップし直接提案。既存関係を活かし、低コストで初期受注を獲得する。

月 2-3

共同事例の制作

最初の2-3件を「共同事例」として制作。導入効果(工場見学の問い合わせ数、採用エントリー数の変化)を定量計測し、横展開用の武器を作る。

月 4-6

横展開の開始

事例を武器に学校・自治体へ横展開開始。教育ITソリューションEXPO等への出展も検討し、第2・第3ターゲットへ本格拡大。

中期ロードマップ(参考)

1年目

基盤構築

製造業・学校を中心に導入10件。事例・ノウハウの蓄積、撮影パートナー体制の確立。

2年目

拡大フェーズ

自治体・MICE領域へ拡大。多言語版リリースによるインバウンド対応強化。年間MRR 500万円到達。

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リスク要因と対策

RISK

競合の上位進出

flic360等がエンタープライズ向けにセキュリティ強化してくる可能性

先行して大手事例を確保し、スイッチングコストを上げる。清水建設ブランド+管理版連携は模倣困難
RISK

社内カニバリゼーション

デジトリ360(管理版)との棲み分けが曖昧になり、営業現場が混乱するリスク

明確な用途定義(管理版=守り、ツアー版=攻め)と営業ツール・トークスクリプトの整備
RISK

撮影リソースの逼迫

受注増加時に撮影・制作のキャパシティがボトルネックになる

パートナー撮影会社の事前選定、撮影マニュアルの標準化、セルフ撮影キットの開発
RISK

自治体案件の長期化

予算サイクル(年度単位)により売上計上時期が読めない

民間案件でベース収益を固め、自治体は中期計画として位置づける
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まとめ

デジトリ360ツアーは、清水建設の技術基盤・ブランド・既存顧客網を最大限に活用できる新規事業である。

🛡️

競合が取れない領域に特化

高セキュリティ・高情報密度・エンタープライズ

🔗

既存資産を最大活用

施工実績からのOB顧客営業、管理版との一気通貫

📈

高単価・ストック型モデル

安定的な収益基盤の構築

まずは製造業OB顧客への提案から着手

6ヶ月で事例を作り、1年で10件導入を目指す